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とし物語 vol29 ~高校生編9~

本番当日。

僕は珍しくお母さんを誘った。

「見に来ても別にええで。」

ってな感じで。

一応息子の晴れ舞台なんでね(笑)

午前中からバンドが始まり、僕らは4組中3番目。

トリは、絶対と言っていいほど3年生のしかも1番うまい人たちがする。

2年生は僕たちだけなので、なんとなく2年生代表のような気持ちだった。

やってやる!

これだけだった。

文化祭終わるまではやる。

このことが決まってからみんな解散という言葉は口にしなった。

逆に、文化祭が終わるまで。

という決まりがあったからみんな1つになれてたのかもしれない。

いよいよライブが始まり、1番目の人の演奏が始まった。

僕らは控え室みたいなところがあり、そこで最後の練習をしてた。

2番目の先輩たちが呼ばれ、演奏が始まった。

それと同時に僕らも舞台裏に移動した。

舞台裏から先輩の演奏を聴いていた。

緊張のあまり、耳にはのこらなかったけど。

あっという間に僕らの順番がやってきた。

先輩と入れ替わる時に

「お前ら、誰もあんまり前の方に来てくれへんぞ」

って言われた。

一応椅子があって、そこにみんな座って聞いてるのだが

仲のいい友達や、前の方で聞きたい人たちはステージの前まできて

立って盛り上がりながら見てくれる。

2番目の先輩たちの時は誰一人席を立つこともなく、みんな椅子に座って聞いていたのだ。

「お前らもそうやで」

ま、それはそれでしゃーない。

もうやるしかないんで。

僕らは腹をくくり、手を出し、その手の上に手を重ね

またその手の上に手を重ね、4人の手を重ねた。

そして

「しゃぁぁぁぁああーーーー!!!」

さ、いこうか。

僕たちはステージに立った。

幕が閉まってる間はだいたい5分。

その間にチューニングしたり、音だしたりして準備する。

僕はボーカルなんで、マイクテスト。

ほんとはその時に、お母さんがもうすぐ誕生日だったので

マイクテストするふりして、ハッピーバースデーを歌おうかと思った。

バンドの皆にも「ええんちゃう」って言ってもらったし。

ステージから見ると、観客席は真っ暗で一体お母さんがどこにいるのか

というか、誰の顔もほとんどわからない。

ほんとに来てるんかな?

ま、来てるやろ。

よし!歌うぞ。
いやー、そんなことしたことないしやめとこうかな?

そんなこと思ってる間に時間がどんどん過ぎて、歌ってる時間がなくなってしまった。

めちゃめちゃ緊張してたし、歌ってたらやばかったかもしれないし

ま、ええか。

そして、みんなと目を合わせて静かにうなずいた。

幕が下りた状態で前奏がはじまり、だんだんと幕が上がっていく。

という演出をしてたので、演奏が始まったときはまだ観客席が見えてない。

はたして、前に誰かきてくれてるんだろうか?

ドラムの”カチカチカチカチ”という合図とともに

いよいよ始まった。

そして幕があがった。

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