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京都市北山の美容院

とし物語 vol64 ~美容師編13~

オーストラリアから来た彼女は、英会話スクールの先生だった。

まったく日本語はしゃべれない。

僕は知ってる英語をとにかく言いまくった。

「ハロー。」

「マイネームイズトシ。」

「ウェアーアーユーフローム?」

「オウゥ!オーストラリア!!ベリーグッドカントリー!!!」

そんな僕のつたない英語に彼女は丁寧に答えてくれた。

しゃべるのもわかりやすく、ゆっくりとしゃべってくれた。

僕も必死で答えた。

ぎこちないが、割と会話は続いた。

なんとか無事にカットも終わり、会話も無難に?

こなしてジェニーは帰っていった。

2ヶ月後、

また彼女は来てくれた。

しかも、僕を指名して。

正直うれしかったが、プレッシャーもあった。

前回たくさんしゃべったので、もう話すネタがない。

日本人ならなにかと探せるのだが、相手はオーストラリア人。

つまり英語。

そんなに単語も知らないので、ホントにどうしよう?

そんな気持だった。

彼女はまた気さくに話しかけてきてくれた。

僕もなんとか答えてたのだが、なかなか前みたいに会話が続かなかった。

それでも彼女も僕も一生懸命話題を探した。

・・・

4回目の来店の時。

彼女はなんと友達を連れて来てくれた。

友達はニュージーランドの方だった。

もちろん日本語はしゃべれない。

話を聞くと、どうやらジェニーの友達はみんな日本語がしゃべれないので

カットするのに困ってるということだった。

なので、ジェニーが僕を紹介してくれたみたいだ。

その後も何人かお店に連れて来てくれた。

ジェニーはその後何回も来てくれていたので、自然と仲良くなっていった。

プライベートなことも喋ったりするようになってた。

「アイハブガールフレンド。」

「スーン、アイムマリッジ!」

「オォー、コングラチュレイション!!」

へたくそな英語で文章もめちゃくちゃだったけど、それでも前より伝わるようになってた。

僕も彼女の英語がなんとなくだがほとんどわかるようになってた。

外国の人は日本人とちょっと感覚が違う。

というか、フレンドリーだ。

ある時、カットしてる途中でジェニーにパーティーに誘われた。

是非来て!

って。

正直とまどった。

お店ならなんとか会話できるが、パーティーとなると他の外国の人もたくさんいるだろうし。

日本人のパーティーにもろくに行ったことないのに、外人さんのパーティーなんて・・・

丁寧に断った。

しかし彼女は来るたびに僕をパーティーに誘ってきた。

どうやら定期的に開かれてるみたいだ。

やっぱり外国の人はパーティー好きなんだろうか?

僕はとうとう断れなくなり行くことにした。

1人では不安なんで、同期の海くんと後輩のかよちゃんをさそって3人で行った。

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