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とし物語 vol32 ~高校生編12~

しばらくすると小越君がうつむいたまま戻ってきた。

僕は

「おう!どうしたん?」

って。

小越「いや、何もないよ。」

おれ「何もないわけないやろ、どうしたん?」

小越「いや、言うたら怒るし。」

おれ「怒らへんって。言うてみろや。」

小越「・・・いや、実は告白されてもた。」

おれ「・・・・・。そうか、よかったやん!あいつええやつやし付き合ったらええで。

    オレのことは気にせんでええしな。」

僕は精いっぱい無理して言った。

それからいつものように3人で帰ろうとした。

が、とてもじゃないが一緒に帰る気分じゃない。

僕は「ごめん、教室に忘れ物したから先に帰ってて」

といい、教室に走って戻った。

僕は手に持っていたプレゼントの時計を思いっきり投げ捨てた。

小越に選んでもらった時計を。

その告白から3日後ぐらいに、バレンタインデーがあった。

気まずいながら、まだ3人で一緒に帰ってたので

その日は特に僕はさっさと帰りたかった。

放課後になり、一緒に帰ろうとすると何やら小越君が帰りたがらない。

ように見えた。

元彼女の机の上には袋に入った何かが置いてあった。

僕は悟った。
あの机の上のチョコはどうせ小越に渡すやつやろう。
僕は心が苦しくなり、もうこの場所から早く立ち去りたかった。

でも2人はなかなか動かない。

僕はとうとう

「おい!あの机の上にあるチョコどうせお前のやから、はよ貰ってかえろうや!」

って。

すると今まで何も言わなかったたかくんが

「そんないい方ないやろ!小越かってしんどいねんぞ!!

こいつの気持ちも考えたれや!」って。

当時の僕は全然子供で人の気持ちも考えられなかったので

1番しんどいのはおれやん!!って思った。

なんで小越の肩をもつねん!
なんでおれの気持ちわかってくれへんねん!!
って。

僕ら3人は、高校入学以来毎日一緒に帰ってた。

途中30分ぐらい無駄話したりして。

雨の日も風の日もいつも一緒だった。

この日を境に一緒に帰らなくなった。

それでもバンドは続けたかったし、また3人でできるなら元の関係にもどりたかった。
が、現状バンドもうまく行ってないし、たかくんとの仲も気まずくなってた。
もうこのバンドは解散やな。

やっぱりバンドやるのは小越がおらな無理やな。

彼女のことはもめたけど、バンドは別。

僕にはもうバンドしかなかった。

思い切って小越に電話した。
「おれやっぱりお前とバンドしたいねんけど。誰かほかの人とやるん?」

「いや、まだ誰ともやってないで。」

「ほなもう1回一緒にやらへん?」

「ええよ。」

もう1度一緒にやることになった。

今度こそうまくやろう。

たかくんもできれば一緒にやりたかったので、誘ってみようと思った。

都合のいい所に次の日、たかくんから電話がかかってきた。

「今のバンド解散しようか」

って。

僕は「そうやな、今のバンドじゃ無理やな。(俺は小越とやることになってるし)

   たかくんどうすんの?」

と聞いてみた。何も決まってなければまた3人でやろうか、って誘うつもりで。
すると、

「おれ小越とやるわ!」

お???

予想もしてなかった答えが返ってきた。

小越とやる??

僕は「それいついうたん?あいつなんていうてるん?」

って聞いてみた。

たかくん「さっき電話して言うてん。小越も一緒にやるって。」

あれれれ???

僕はとりあえずたかくんとも電話をいったん切り、すぐに小越に電話した。

俺「おい!どういうことやねん!お前たかくんと一緒にやるん?」

小「うん、おれたかくんとやるわ。」

俺「おいまてよ!俺の方が先に言うてたやろ。俺とやるってお前いうてたやん!」

小「ごめん、そやけどおれたかくんとやるわ。」

僕は一気にいろんなものを失ってしまった。

あんなに小越を戻そうって言うた時に反対してたたかくん。

俺と一緒にやるって先に言うてた小越君。

そんな2人が一緒にやる。

しかも俺はいらない。

これでほんとに僕の初めてのバンドは終わってしまった。

いつからこんなに歯車がくるってしまったのか。

僕が彼女なんか作らなければこんなことになってなかったのか。

最悪なことに、3年生になるとたかくんと小越のバンドは優勝してしまった。

僕はすごいくやしくて、むなしくて、周りの人からは

「あれ?なんで今年は出てへんの?」

とか言われるし。

みじめだった。

もう1つ最悪なのことがあり、俺と小越と元彼女の3人が

3年生のクラスが同じになってしまったということだ。

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