BLOG

京都市北山の美容院

とし物語 vol62 ~美容師編11~

無事にカットデビューも終わり、1日にカットする人数もちょっとずつ増えていった。

それと後輩もちょっとずつ増えていった。

特にマンダラができてからはたくさんの後輩が入ってきた。

主婦の方や学生さん、男性、女性といろいろいた。

その中でも今も一緒に仕事してる”あさみちゃん”との出会いは自分にとっても大きかった。

彼女と初めて出会ったのは僕が23で、彼女が20歳。

まだ専門学校に通ってた。

あさみちゃんは高校を卒業して、なぜか東京のメイクの学校へ

京都から夜行バスで通ってた。

という、かなりの変わり者?だ。

(なぜ下宿しなかったの??)

交通費がかなりかかるので、そのためバイトもがんばってしてたらしい。

(だからなんで下宿せんかった??)

それからメイクだけでは食べて行けないだろうと思い、美容師になるために

マンダラに来たらしい。

僕が彼女の指導係的なことをすることになった。

彼女は見た目はおかっぱ。

前髪はパッツン。

目は細い。

顔は小さい。

体は細い。

おお!なんかすげーな。

百人一首に出てきそうな風貌だった(笑)

「あさみです。よろしくお願いします。」

的な会話を交わしたと思う。

あさみちゃんはホントに素直で元気よく、明るい子だった。

すぐに仲良くなった。

たまにオモシロイことがあったりすると、あさみちゃんにこっそり教えてあげたりしてた。

でも彼女はかなり声がでかいので、コソコソしゃべるってことができない。

僕がコソコソしゃべっても、あさみちゃんが大きな声でゲラゲラ笑うので

すぐ先輩に見つかって、僕が怒られる。

そんなことが多々あった。

あさみちゃんとはホントに何て言うか気が合う。だけでなく

苗字も同じ(高橋)で、母子家庭というのも同じだった。

僕には兄しかいないのだが、勝手に妹がもしいたらこんな感じかな?って

思ってた。

僕がスタイリストになってからも、あさみちゃんがアシスタントをしてくれて

何度も助けてもらった。

あさみちゃんは、人に嫌われることがまったくないらしい。

実際そうだと思う。

僕はどちらかというと、好かれる人にはすごく好かれるけど

嫌われる人にはすごい嫌われる。

自分でもよくわかってる。

なぜあさみちゃんに慕われてるのか?わからないけど

そのおかげでもっともっと後輩の人達とも仲良くできた。

毎日仕事するのが楽しくなった。

あさみちゃんとはたくさん思い出がある。

僕が「たまにはおごったるし、焼肉でも行こうや!」

って誘って食べに行った時も、お会計の時に財布にお金が入ってないのに気付き

どうしようかおろおろしてると

「うちが出しときますよ!」

って言って、逆におごってもらったり。

暑い日に皆にアイスクリームでも差入れしようと思って買ってきたとき

あさみちゃんが「いつも100均のアイスありがとうございます。」

って言って、なんかちょっとすいませんって気持ちになったこととか。

あさみちゃんがお店からでてポスティングに行く時、

いつもなら気にしたことなかったのに、すぐ外であさみちゃんが呼んでる気がして

ふと外に出たら接触事故を起こしてしまってたこととか。

(全然大したことない事故でした)

一緒に雨の日に飲みに行って、帰り道であさみちゃんが傘を忘れてきたので

「なんで傘忘れてきてんねん!酔っぱらってんちゃう?おれはちゃんともってるで。」

って言っといて、僕の持ってる傘が全然自分のと違う傘だったこととか。

一緒にバンドを結成して、何回かライブしたりしたこととか。

あさみちゃんがポロッと嫁さんにいらんことを言って

家庭がぎくしゃくしだしたこととか。

「うち人前では泣けなくなったんです。小さい頃お母さんに迷惑かけたらアカン、って思って。

それから長女やししっかりしなあかんし。」

って泣きながら僕に言っててきたり。

ずっと僕のカラーを塗ってもらってて、何十回かしてやっと目的の色になったのに

全然どの色を使って調合したのか覚えてなかったり。

ホントに楽しいことや面白かったことがたくさんありすぎて。

それから約10年。

今もクラッチで一緒に働いてる。

あの頃、そんな風になってたらいいなって思ってけど

ほんとに一緒に働けるなんてね。

いつもいつも

助けてくれて

ありがとう。

これからも

どうぞ

よろしくお願いします。

関連記事

  1. 京都市北山の美容院
  2. 京都市北山の美容院
  3. 京都市北山の美容院
  4. 京都市北山の美容院
  5. 京都市北山の美容院
  6. 京都市北山の美容院

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP