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とし物語 vol55 ~美容師編4~

その日はとても忙しい日だった。

店内はお客様とスタッフとで、ごっちゃごちゃになっていた。

スタッフは皆必死で働いていた。

一方僕はまだやれることが少ないので、手が空いてた。

海くんがシャンプーに呼ばれた。

僕はそれを近くで見てた。

海くんは僕が見てるからか、海くんもまだ慣れてないからなのか?

かなり緊張してる様子だった。

首にタオルをして、シャンプークロスを付けて。

昔のサイドシャンプーのやつは、椅子を上にあげてから倒す。

じゃないと、お客様の首が届かない。

つまりシャンプーボール(洗う所)が上についてるから、椅子をあげないと

届かないのだ。

なのに海くんは、椅子をあげてない状態でいきなり、

「じゃ、椅子倒しますねー。」

って。

あれ?

椅子あげてないのにな??

と思ったが、そのまま海くんは椅子を倒しだした。

お客さんも明らかに、あれ?って思ってる様子で

きょろきょろと首を振って後ろを確認してた。

まだ海くんは間違いに気付いてない。

そのまま椅子を倒しちゃったので、お客さんもどうしていいのか

わからなかったんだろうが、なんと

椅子の上にブリッジをしだした。

IMG_0559

だいたいこんな感じ。

僕は笑いを必死にこらえた。

伝わらないと思うが、ホントにおもしろかった。

なんと海くんもそれを見て笑ってた。

それを見て僕はさらに笑けた。

しかし、お店はてんやわんやしておりピリピリとした雰囲気だったので

下っ端の僕らが笑うことはできない。

そんな雰囲気ではなかったので。

僕は思わず、スタッフルームへと行って笑った。

その他にも笑ける事件はたくさんあったが、ホントにシャンプーマン時代は

2人で競うようにシャンプーをしまくった。

かわいい子が来たら、シャンプーどちらが入るかでもめて怒られ

怖そうな方が来られたら、どちらもゆずりあい怒られた。

(すいません)

徐々に男性の方の仕上げなどもやらせてもらえるようになった。

もちろん掃除やその他の仕事もあるので、それをきっちりとやってからじゃないと

させてもらえない。

ある時、掃除をしていると先輩に

「掃除してるけど汚いねん。隅っことかちゃんと掃除できてないし。」

と注意を受けた。

僕はその時は一生懸命掃除もしてたと思ってたので、ちょっとムッとしたが

確かによく見てみると少し汚れてたり、髪の毛があったりした。

でもホントに髪の毛一本とか、めっちゃよくみるとほこりが・・・

みたいなレベルだ。

ほとんどわからない。

意識してみてもわからないぐらいだった。

しかし掃除に関してはホントに厳しかった。

ある時その先輩にちょっと聞いてみた。

「なんで、こんなに掃除を丁寧にするんですか?」

って。

すると

「私たち美容師はお客様の髪の毛をきれいにする仕事やんか。

掃除はお店をきれいにする。だからお店をきれいにできない人は絶対に

お客様の髪の毛も綺麗にできひんで。お店に髪の毛が一本落ちてる。

それを見逃してたらきっとお客さんの襟足についてる髪の毛一本も見逃すで。

だから掃除はちゃんとせなあかんねん!」

って。

目からうろこだった。

確かに!

言われるとおりだった。

僕はホントに衝撃をうけ、それからは”掃除王”と呼んでもらえるように

掃除をがんばった。

その時聞いた話だったか忘れたが、人間は4パターンあって

目の前にゴミが落ちてると

1、すぐに拾う人

2、あとで拾う人

3、誰かが拾うだろう

4、気付かない人

がいるらしい。

4の人は問題外で、どうしようもない。

3の人はあとで拾うと言っても、忘れることもある。

2の人は他人任せでそのまま誰も拾わなかったらどうする?

1になれ!

と。

すぐに気付いて行動する人。

できる人になれと。

問題はスグに解決しないと。

って言われた。

ほんとにその通りだ。

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