目の前に3人の少年が立っていた。
一番前に立っている少年がおそらくボスっぽい。
そう思ってるとまた殴られた。
もうわけがわからない。
とりあえず自分の身を守らなければいけないので、すぐに立ち上がり身構えた。
「こいつらだれや?」
「なんかしたんやろうか?」
むちゃくちゃ記憶をたどって考えたのだが、やっぱり知らないやつらだ。
目があってとか、肩がぶつかってとかならまだわかるが
いきなり目の前に現れて殴られたので、頭の中はパニック状態だった。
とにかく応戦した。
それが相手の気に障ったようで、ますます怒りの表情で殴ってきた。
とにかく逃げなきゃ。
僕の横にはバイト先の女の子がいる。
なんとかこの子だけでも逃がさないと!
そう思い、さりげなく女の子に言った。
「とにかく逃げて!!」
でも女の子は恐怖で震えて動けないみたいだ。
女の子を連れては逃げれない。
なんとかチャンスを作らないと!
そうだ!
あいつの股間を思いっきり蹴ってやろう!!!
男子ならわかると思うが、ちょっとでも股間をたたかれたりするだけで
かなり痛い。
僕はサッカーをしてたので、脚力にはわりと自信があった。
さいわい相手はかなり油断してるみたいで、うまくいきそうだ。
僕は全力とまでもいかなくても、8割ぐらいの力で相手の股間をけり上げた!
すると・・・・
「いったいのぉぉぉぉお~!!!」
これだけだった。
これだけ?
普通ならうずくまって動けなくなるはず。
「お前わかってんねやろうな!殺したるわ!!!!!!!」
あかん!
完全に怒らせてしまったようだ。
というか、なぜ股間キックが効かないのだろう?
もしかしてなんかやばい薬でもやってるんか?
「お前裏に来いや!殺したるから!!」
殴られてる場所は千本今出川をちょっと南に行った辺りで
深夜12時をまわってるといえど、車も通るし人もいる。
なので、一本裏の道に来いや!ということだ。
僕は
「おぉ、いったるわ!でも、靴が脱げてるから履かせろや。」
と言った。
何発か殴られてるうちに靴が脱げてしまっていたのだ。
靴を取りに行く間になんとか彼女を逃がせないか?と必死に考えた。
俺が裏に行ったら彼女は助かるのか?
それとも誰かに助けを求めたほうがいいのか?
靴を履こうとした瞬間!
何かで後ろから頭を殴られた。
工事用のコンだ。
そのまま何発かまた殴られた。
なぜこんなにも殴られてるのかわけもわからないが、
だんだん怒りがこみあげてきて何発か殴り返した。
すると、なんと
相手は3人組だったのだが残りの2人が女の子の両サイドに立って彼女の腕を取り
(殴ってるのはボスの1人だけ)
僕を殴ってるやつが
「お前反抗したり、変なことしようとしたらこの女を殺すぞぉぉぉぉお!!!」
なんてことを言うんだ。
「そんなことはやめろや。」
「そしたらお前はもう動くなよ。」
まじで卑怯な奴らだ。
僕は言われるがまま無抵抗に殴られ続けた。
続く
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