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とし物語 vol28 ~高校生編8~

予選が終わり、本番はではおよそ1か月。

本番で演奏する曲がまだ全然足りなかったので、もう練習することになった。

学校が終わるとすぐ工場へ行き練習。

家ではCDを聞いて練習。

もちろん、授業中も・・・

(すんません)

実はその頃から、だんだんバンドがもめ出して

喧嘩もしょっちゅうするようになっていた。

ささいなことで。

ギターの小越君が、急に

「1曲ドラムやりたい!」

と言い出した。

が、他のメンバーは本番まで時間もないし、まだまだ曲も練習しないといけないし

今更他の楽器を練習してる暇などないと言い出した。

確かにその通り。

小越君がドラムをすると、誰かがギターをしなくてはいけなくなり

じゃあ誰が?って。

ベースは?

ドラムは?

ボーカルは?

って。

これがきっかけになり、みんなだんだんと不平不満を言いだすようになった。

「あいつは何でも出来てうまいからええけど、おれらは無理やわ。」

「あいつ自己中やな。」

「むちゃくちゃやん!もういややわ。」

って。

今思うと、すごい焦りもあって余裕もなかったからだろうなって思うが

あの頃の僕たちは、ほんとにだんだんと険悪な感じになってきて

しまいには

「解散しようや!」

ってなってしまった。

解散。

僕は絶対にしたくなかった。

だってこんなに楽しいのに。

誰が言い出したか覚えてないけど、本番まであとちょっとという時に

そんな風になってしまった。
「よし!文化祭は決まってるし、もう1つライブ決まってるから

それはではちゃんとしよう。それが終わったら解散しよう!。」

ってなってしまった。

すると、あんなにもめてたのにみんな同じ目標をもったのか

2つライブする!ということに集中しだしたのか

すごい練習に打ち込み、わがままも言わなくなり

仲もいつのまにかよくなっていた。

僕は解散なんてしたくなかったので、とりあえず文化祭が終わったら

また話しようと思ってた。

きっとみんなまたやりたくなるだろうと思ってた。

(その考えは後にはかなくも散ることになるんですが。)

曲もなんとかできるようになり、いよいよ本番の日が明日となった。

演奏はずいぶん上達し、みんな自身もついてきた。

が、僕だけすごく不安になってきてしまった。
よく考えたら、ドラム・ベース・ギターは楽器。

俺は自分の声。

大丈夫かな?

明日ほんとに大丈夫か?

考えれば考えるほど不安が大きくなっていった。

工場で最後の練習がおわり、不安が消えないままだった僕は

たか君のお兄ちゃんを見つけた。(工場で働いてる)

「お兄さん、明日大丈夫ですかね?」

すると僕の不安を見抜いてくれたのかお兄さんは

「大丈夫やって!俺毎日お前らの練習聞いてたけど、歌上手いで(^^)」

って。

無茶苦茶うれしかった。
お兄さんは、顔もかっこよく車もアメ車に乗ってて

何もかもがかっこいい人だった。

ちょっと憧れてた。

そんな人にさりげなく

「歌上手いで」

って言ってもらえたのが、すごい自信になった。

「ほんまですか?ありがとうございます!」

今思うと、あのへたくそな演奏と歌を1年も聞きながら仕事してた

お父さんとお兄さん。

すごいありがとう。

今更ながら感謝した。

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